good-audience’s diary

良い客とは何でしょうか

読書会β『“お金”から見る現代アート』レジュメ

ぼくがあの人から受け取ったものの価値に対してお金を払うとき、いくら払うのが適正で、それはなぜなんだろう

 

  1. どうやって値段が決まるんだろう?
  2. 資本主義ってなんだっけ?
  3. そもそも、お金ってなんだっけ?

どうやって値段が決まるんだろう?

(p50)そもそも、どうして「アートの値段はわかりにくい」と言われるのか

  • 作品の価値を判断する基準のようなものが無い
  • この値段が本当にこの作品に見合ったものなのか、ということを判断する手がかりが少ない

 

日本にマーケットが育たなかった要因

 日本の古美術市場には昔から「贋作と見抜けない方が悪い」という感覚がある。

世間の人たちの中に、「美術品の値段というのはあってないようなもので、素人には判断しようが無いもの」という印象が刷り込まれていったのでは無いだろうか

 

 例えば食料品の場合

  • 産地
  • ブランド
  • 鮮度
  • 重さ
  • 色艶

相場に照らし合せた妥当な値段があって、多くの人がそれを共通に認識している

 

プライマリー・プライス

初めて作品がアーティストから他人に渡る時に決められる値段

 

価格決定要因

(若手)

  • サイズ
  • 耐久性(素材)
  • 稀少性

 

(トップ)

  • モチーフの人気度
  • アーティストにとっての重要性
  • 作品の来歴(コレクター、展覧会、カタログなど)
  • セカンダリー・プライス

 

制作者と販売者の取り分

SCAI THE BATHHOUSE 50:50

 

セカンダリー・プライス

2回目以降の取引の際に決定される値段

 

価格決定要因

 

近年の傾向

(p16)ここ数年、特に強く感じるのだが、「価格が高いからこそ意味がある」というような風潮がある。価格の高さ自体に価値を見出しているわけで、作品のクオリティとはまったく別次元の価値観だ。

あの村上さんのフィギュアはある種、“現代アートのシンボル”であって、落札者にしてみれば、現代アートに自分はこれだけのお金を出せるのだという(現代アートへの)理解力や財力、権力など、力を誇示する思いを託しているのではないか(小柳敦子:ギャラリー小柳)

アートの世界に投資マネーが注ぎ込まれるようになった現在、アートの価値には、削皮品のクオリティの高さ云々のほかに、さまざまな思惑が絡んでくることもある。

 

【参考】

タグボート「アートとお金のはなし」

  • アートには価格を決定する基準や 法律というものが存在しない
  • アートの価格は需要と供給のバランスで決まる
  • アートの価値は学術的評価で決まる
  • 偽物の価格上昇に注意すること
  • 投資としてアートは即金性がない
  • アートの売買には高額な手数料が発生する
  • アート購入には余剰金を当てること
  • アートは投資目的ではなく、作品の善し悪しを最優先に選ぶこと

現代アート販売(通販)のタグボート 写真・版画・絵画の販売

http://www.tagboat.com/event/contemporaryart_seminar2016/file.pdf

 

ディーラーとして作品を購入するにあたってチェックしていること

「アート・オフィス・シオバラ」代表・塩原将志

  1. 総出品件数・総落札件数
  2. 美術館展覧会への出品歴
  3. パブリックコレクション
  4. 受賞歴
  5. 取り扱い画廊作家本人と話す

www.tagboat.com

資本主義ってなんだっけ?

 

 

…お金って、なんだっけ?

商品の「使用価値」と「交換価値」
貨幣が持つ4つの機能
  1. 価値尺度
  2. 貨幣退蔵
  3. 支払手段
  4. 世界貨幣 

 

今後の展開
  • オークション編
  • アートフェア編
  • 助成金
  • 美術館編
  • 貨幣史

 

参考書

“お金”から見る現代アート (講談社+α文庫)

“お金”から見る現代アート (講談社+α文庫)

「なぜこの絵がこんなに高額なの?」気鋭のギャラリストが、現代アートとお金の関係をわかりやすく解説。

お金がわかると現代アートがおもしろくなる!数多くの日本人アーティストを世界に紹介してきたギャラリストが教える、現代アートビジネスの仕組み。

巨大アートビジネスの裏側 誰がムンクの「叫び」を96億円で落札したのか (文春新書)

絵画の世界にも「売れる色」と「売れない色」があり、作家の死後30年たった時に「時の試練」に耐えて古典になれるかどうかが決め手である。アンディ・ウォーホルはほぼ10万ドルで買える作家だったが、2002年頃から評価が急騰、100億円もの値段で落札されるようになった。100億円もの高値を生む作家や作品には恐るべき「共感力」があると著者は指摘する。
「資産の20%はアート」とも言われ、国難やインフレにも強く、富裕層やセレブを虜にしているアート。「アートは人間そのもの」と語る著者が知られざるアートの世界の裏側を明かす。

アートは資本主義の行方を予言する (PHP新書)

アートは資本主義の行方を予言する (PHP新書)

現代アートは理解できない……。美術館に行ってもそんな感想をもつ人は少なくないかもしれません。ましてや一見ガラクタに思える作品の価格がじつは数億円、と聞けば、なんとなくうさんくさい……と感じる人すらいるでしょう。
しかし、じつはアートこそが私たちの生きる現代資本主義を体現する存在、といわれたら、どうでしょうか。まさにアートの「価値」と「価格」の関係にこそ、モノの値段が決まり、ときにそれが暴騰・暴落する資本主義の本質が隠されている、と山本さんは語ります。

そうしてアートの「周縁」が時代とともに移動していく様は、グローバル化のなかで次の投資先を求めて資本が移動していく様と重なることでしょう。ならば、その先に資本主義はどこへ向かうのか。そのなかで、日本美術はどのような存在感を発揮できるのか。

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

世界的大不況の中、今あらためて注目されているマルクスの「資本論」。池上彰が高校生との14時間の集中講義で、「資本論」とは何か、を解き明かす。

【カスタマーレビュー】
マルクス資本論について解説する書籍というと、左派バリバリのイデオロギー
染まった書籍かと思われがちですが、この本はその点に注意深く配慮してあり、非常にバランス良く書かれています。

マルクス資本論の労働価値説、貨幣論、剰余労働などの基礎的な用語について
資本論の最新の現代日本語訳を随所に引用しながら、同時に現代社会の卑近な例を用いて噛み砕き
非常に分かりやすく実況中継風に解説してあります。

書名には高校生と銘打ってありますが、大学生や社会人が読んでも知的欲求を満たすことが出来る内容です。
マルクス経済学の入門書としても、最適なのではないかと思います。

その他 参考にしたもの

書籍
池上彰のやさしい経済学 (1) しくみがわかる (日経ビジネス人文庫)
池上彰のやさしい経済学 (2) ニュースがわかる (日経ビジネス人文庫)
1巻「しくみがわかる」では、「経済とは何だろう?」「貨幣の誕生」にはじまり、代表的な5人の経済学者の考え方に触れます。私たちの普段の生活や身の回りのことを例にとり、むずかしいと思われがちな経済学の理論をやさしくひも解いていきます。
 
2巻「ニュースがわかる」は、「インフレとデフレ」「なぜバブルが生まれ、はじけたか」「消費税をどうする」など、過去の経済政策から、現在の日本や世界を取り巻く情勢、いま抱える問題点など、日々のニュースを理解するために必要な知識が満載です。2巻だけ読まれても理解できる内容になっています。
 

本書の最も大きな特長は、経済学を私たちの日常生活の視点から眺めていることです。身の回りの出来事と経済学の知識が結びつくことによって、いままでなんとなく見ていたニュースがずっと面白くなります。そして、基礎知識を一度きちんと身につけてしまえば、経済ニュースは驚くほどよく理解できるようになります。

もととなる講義は、芸術系の学生を対象に行われたものです。経済学なんてむずかしそう…と敬遠しがちな学生たちに向け、興味を持ってもらえるようにと、様々な工夫を凝らしています。やさしい言葉で楽しく経済の基礎が学べる、はじめの一歩に最適の書です。ビジネスパーソンのみならず、学生さんや主婦の方など、世代を問わずどなたにでも読んで頂けます。ぜひこの機会に手に取ってみてください。

 

 映画

ハーブ&ドロシー DVD-BOX

ハーブ&ドロシー DVD-BOX

郵便局員図書館司書というごく普通の夫婦が、趣味で集めた現代アートが世界屈指のコレクションに!
実在する現代アートコレクター、ヴォーゲル夫妻を追った感動のドキュメンタリー作品。公務員のふたりがいかにして膨大なコレクションを築いたのか?― その秘密を明らかにしながら、次第に“ほんとうに豊かな人生"のあり方を浮き彫りにしていく。お金儲けのためではなく、ただひたすら二人三脚で好きなモノを集めてきたふたりの姿は、発見する喜びと夫婦愛に満ちている。アートの知識なんてなくても、彼らの人生に触れれば、ほんの少し世界が変わって見えるはずだ。
続編では、二人のコレクションが、国立美術館から更に全米50州への寄贈が拡大していく様を追う。この前代未聞のアート寄贈計画をめぐる、夫妻、アーティストの想い、地元の反応が交錯する。そして遂にコレクションが幕を閉じる時がやってくる。

 

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ スタンダードエディション [DVD]
世界で最も有名。けれど誰もその素顔を知らないグラフィティ・アーティスト、バンクシー初監督作品!ビデオ撮影が趣味の男ティエリー・グエッタが様々なグラフィティ・アーティストと出会い、彼らの素顔を撮影するうちに念願だった伝説のバンクシーとの接触が叶う。ティエリーはやがてアーティスト“ミスター・ブレインウォッシュ”に変貌していくのだが、全ては仕組まれたことなのか、あるいはリアルなドキュメンタリーなのか…。

 

バンクシー・ダズ・ニューヨーク [DVD]

バンクシー・ダズ・ニューヨーク [DVD]

  

内容(「Oricon」データベースより)
正体不明のアーティスト、バンクシー。ニューヨークに突如現れた、バンクシーのアート作品。それは路上とネットを舞台にした「宝探し競争」の始まりの合図だった。作品を求めてニューヨーク中を駆け回るファンや、それを手に入れて高く転売しようと目論む者など、1か月間を記録したドキュメンタリー作品。

 

サイト

www.artfacts.net

Power 100 / ArtReview

売れ筋!日本のアーティストランキング!!

www.tagboat.com

toyokeizai.net

president.jp

dentsu-ho.com

matome.naver.jp

jp.wsj.com

List of most expensive sculptures - Wikipedia, the free encyclopedia

www.lomography.jp

wired.jp

www.enrich.jp

www.enrich.jp

www.tagboat.com

http://www.tagboat.com/event/contemporaryart_seminar2016/file.pdf

 

勉強会
asaworks.exblog.jp

www.artto.jp

www.tagboat.com

芸術公社ゼミナール | 芸術公社

鉄のカーテンの時代の反社会的なソビエトアート 2016.7.28.thur | kosaten